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年収500万円と年収1000万円の手取りはいくら?年収で家計を考えるのは危険?

家計/貯金

  • 投稿日:2022.07.06

年収1000万円でも生活が苦しいという声を聞くことがあります。また、年収500万円でも節約術を上手に取り入れ、貯蓄ができている家庭もあるでしょう。この違いは年収ばかりに目を向けるのではなく、「手取り額がいくらになるのかを意識した家計管理ができているか」がポイントです。実際に年収500万円と年収1000万円の手取り額にはどのくらいの差があるのでしょうか。

年収と手取り額の違いとは?

年収手取り額
会社から支給される給与総額
(基本給与や各種手当などが含まれている)
実際に口座に振り込まれる額
(給与総額よりも少なくなる)

年収とは、会社から支給される給与総額です。それには基本給与や各種手当などが含まれています。それに対して手取り額とは実際に給与口座に振り込まれる額で、給与総額よりも少なくなります。なぜそのような状態になるのか、その仕組みについて解説します。

手取り額とは年収から税金や保険料などが引かれたもの

社会保険料・国民年金保険料
・厚生年金保険料(給与に応じて算出された額)
・健康保険料(給与に応じて算出された額。40歳以上になるとさらに介護保険料負担が発生する)
所得税所得税については1年の始めにそのときの階級や前年の勤務実績などを元に概算で計算したものを利用する。そのため、年末調整で過不足分を清算することになる。
住民税前年の所得に応じて計算された額が毎年5月頃に市区町村から企業に通知される。会社はこの通知内容を元に毎年6月から翌年5月までの給与から差し引く。

年収とは、会社から支給される給与の年間総額です。必ず支払われる基本給与に各種手当が加算されており、手当には通勤手当や住宅手当も含まれます。そして、実際に毎月の給与口座に振り込まれるのは、毎月の支給総額から以下のものが引かれた額です。

  •  ・健康保険料
  •  ・厚生年金保険料などの社会保険料
  •  ・所得税
  •  ・住民税

年収よりも手取り額の方が少なくなるのは、このような仕組みがあるからです。ちなみに住宅ローンや教育ローンなど、融資を受ける際の基準とされるのは手取り額ではなく、年収です。この違いもしっかりと認識しておきましょう。

年収と手取り額の違いを知る意味って?

家計管理において、年収と手取りの違いを知っておくことは大切です。実際に収入として使えるのは会社から給与口座に振り込まれた額だからです。

家計の支出にはさまざまなものがあります。収支が赤字にならないためには、実際に手元に入ってくるのはどのくらいの額なのかを把握します。そして、その範囲内でどのくらいの金額を貯蓄に回し、残りの支出配分についても考えなければなりません。年収だけに目を向けていると、どのくらい支出しても良いのか判断を間違えてしまう可能性があるため、年収と手取り額の違いを知る必要があります。

手取り額は個人の状況によって異なる点に注意

年収が同じだからといって、手取り額が一律同じになるわけではないことも覚えておきましょう。なぜなら、配偶者や子どもがいる場合は所得控除にある「配偶者控除」や「扶養控除」が適用されます。そのため、配偶者や子供がいる人のほうが税金の負担が少なくなり手取り額は多くなります。

さらに社会保険料は賞与額も含めて計算されるため、賞与の有無や額によって社会保険料の負担は異なります。社会保険料の負担が大きくなれば、その分手取り額は少なくなります。

年収500万円と年収1000万円の手取り額を計算してみよう

年収500万円と年収1000万円、年収は2倍の開きがありますが、実際の手取り額はどのくらいの差になるのでしょうか。

年収500万円の手取り額と月額はいくら?

年収500万円の手取り額は、約400万円~425万円です。月額にすると、毎月約33万円~35万円で、年収から約75万円~100万円が引かれていることになります。また、賞与があるかどうかによっても手取り額は異なります。

仮に年間の賞与額が2.5カ月分だった場合、手取り額は約425万円、賞与がない場合だと手取り額は約400万円です。賞与は確実に支給されるとは限らないため、家計を考える上では賞与がなかった場合の手取り額を基準にしておくことをおすすめします。

年収1000万円の手取り額と月額はいくら?

年収1000万円の手取り額は約720万円。つまり約280万円が差引かれ、毎月の手取り額は約60万円です。年収は500万円から倍になっていますが、手取り額も倍になるわけではありません。年収500万円で引かれる額が約75万円~100万円でしたが、実に2倍以上引かれていることが分かります。

年収1000万円ともなると、社会保険料の額や所得税および住民税額も高額になります。その分、年収が多いほど節税対策を真剣に考える必要があるといえるでしょう。

【東京都】年収500万円の生活水準と節約のポイント

ここからは、年収500万円の生活水準と節約のポイントについて解説します。住居費(家賃)は東京都を基準に記載していますが、居住地によって家賃水準は異なります。

そのため、住居費についてはご自身が住んでいる地域の水準を参考に、それ以外の費用についてはこの記事の内容を参考にしてください。

【東京都】年収500万円の生活水準

【単身世帯(一人暮らし)】
家賃8万円
食費5万円
水道光熱費1万1000円
趣味・娯楽費2万8000円
通信費3万円
雑費2万8000円

【配偶者・子どものいる世帯】
家賃10万円
食費6万6000円
水道光熱費2万円
趣味・娯楽費2万6000円
通信費3万7000円
雑費3万8000円

年収500万円の手取り額が約33万円~35万で、単身世帯の場合は若干余裕があり、ある程度の金額を貯蓄に回せます。しかし配偶者や子どもがいる場合は、子どもにかかる費用(特に教育費)をこれから考える必要があり、綿密な家計管理が重要になります。

【東京都】年収500万円の人の節約術

年収500万円であれば、定期的に貯金ができる家計状態にしておきたいものです。貯金の目安は手取りの10%~20%といわれていますが、余裕があればそれ以上の額を貯金に回すことを考えましょう。

年収500万円の人の手取り額は約400万円〜425万円(月額約33万円〜35万円)で、毎月最低でも3〜3.5万円は貯金に回せるようにしましょう。そのためには家計簿をつけて、毎月の収支を見える化させることがポイントです。もちろんそれ以外でも会社の財形貯蓄制度を利用し、手取り額として受け取る前に貯金することで着実にお金が貯まっていきます。

子どもがいる家庭なら、まず教育資金をどのように工面するかも考えなければいけません。また、住宅ローンを利用して住宅を購入する場合には、毎月の返済額が家計を圧迫しない程度に抑えておきましょう。

【東京都】年収1000万円の生活水準と節約のポイント

年収1000万円ともなると、節約のポイントが年収500万円のケースと若干異なります。年収1000万円の生活水準と節約のポイントを見ていきましょう。

【東京都】年収1000万円の生活水準

【単身世帯(一人暮らし)】
家賃13万円
食費8万円
水道光熱費2万円
趣味・娯楽費6万円
通信費2万5000円
雑費3万5000円

【配偶者・子どものいる世帯】
家賃15万円
食費9万円
水道光熱費2万5000円
趣味・娯楽費7万円
通信費3万円
雑費3万5000円

単身者と配偶者・子どもありの場合、どちらも貯蓄に回せる余裕はあります。しかし、貯蓄額をできるだけ多くするためにも、節約するためのコツを身につけておきたいところです。

【東京都】年収1000万円の人の節約術

年収1000万円の場合の毎月の手取り額は約60万円です。そのため、最低でも6万円は貯蓄に回すことを考えましょう。また年収が高くなるにつれ、社会保険料や税金の負担が大きくなりますので、節税対策を取り入れるのも有効です。

特に利用してもらいたいのが、節税効果が見込めるふるさと納税やiDeCoです。さらに年間の医療費に応じた医療費控除の利用も考えましょう。もし子どもが20歳の場合は、代わりに国民年金保険料を支払うことで節税につなげられるので、できることはしっかりと節税対策をしておきたいところです。

また年収1000万円の人が気をつけたいのは、児童手当や奨学金などの所得制限です。所得の基準に当てはまらなくなると、手当や奨学金の受給が難しくなるので、受給できないことを把握しておく必要があります。

【年収500万円・年収1000万円】もらえる年金額は?

年収500万円そして年収1000万円の人が将来もらえる年金額は幾らくらいでしょうか。老後資金が公的年金だけでは不足すると言われている中、自助努力で資金を形成する必要があります。

そのためには自身の年金受給額がどれくらいなのかを把握し、貯蓄は毎月どの程度していくべきなのか、資金計画を立てることが大切です。

年収500万円の人がもらえる年金額を計算してみよう

厚生年金に40年間加入しており、その間の平均収入が500万円だった場合、国民年金も満額受給できると考えると、合計の受取額は毎月約15万円~16万円です。この額では不足すると感じる場合は、別の方法で老後の資産を形成する必要があります。

上記の金額は本人が受け取れる金額です。もし配偶者がいて専業主婦だった場合、配偶者の老齢基礎年金(月額約6万円)が加算されます。

夫婦2人で老後に必要な生活費の平均額は月22.1万円と言われているので、年金だけで生活できるでしょう。ただし、趣味や娯楽を楽しむといったゆとりのある老後生活を送りたい人は、平均で月36.1万円と考えられているため、貯金を切り崩していく必要があります。

出典: (公財)生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度

年収1000万円の人がもらえる年金額を計算してみよう

厚生年金加入期間の平均年収を1000万円とし、40年間の加入、そして国民年金も満額受給できる要件を満たしているなら、国民年金そして厚生年金の受給額は月に約25万円です。配偶者(専業主婦)がいる場合は、この額に約6万円が加算されます。これだけの年金額があれば、老後の不安は少ないかもしれません。ですが、今後年金額が減少する可能性も考慮し、別途自分で老後資金を準備しておくと、より安心できるのではないでしょうか。

知っておきたい年金のこと

年金額は毎年改定され、前年よりも増える年もあれば、減る年もあります。また、70歳までの雇用機会を与えることが企業に努力義務化されたことや、年金の受取期間についても繰り下げ受給が75歳まで延長されるなど、年金の内容についても大きく変化しています。働けるなら定年後も働く、資金に余裕があるなら繰り下げ受給を行なうなど、老後をどう生きるかを真剣に考えなければならない時代になってきているといえます。

関連記事:「年金は60歳からもらった方が賢い」は本当?今から考えたい年金のこと

手取りを把握して今と将来のために備えよう

実際の手取り額を把握し、その中でどのくらいを貯蓄に充てるのか、またどのくらいの生活レベルを維持するのかを考えることは重要です。リタイア後はそれまで過ごしてきた生活レベルを落とすことが難しいことからも、年収に関係なく日頃から節約を心掛けた生活を続けることが大切だといえるでしょう。

もちろん現役期間に必要な資金の準備も大切ですが、あわせて老後の資金を準備するには早めにスタートすることが大きなポイントです。そのためにも、自身の手取り額をきちんと把握し、どのくらいの貯蓄ができるのかを考えましょう。そして、毎月の生活費の6カ月分は現金で持っておき、それ以外の資金については運用に回すことで、効率的に資産を増やすことができます。

どのように貯蓄したらよいのか、他にできることはないかなど、家計の改善などについて悩んでいる人は、節約を実践している友人やFPのような専門家に相談してみましょう。

参考 総務省|家計調査報告(単身者・二人以上の世帯)2021年平均
   厚生労働省|令和4年度の年金額改定について

新井智美/トータルマネーコンサルタント

この記事を書いた人
新井智美/トータルマネーコンサルタント

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コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。