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食費の削減に成功した人が実践している節約術7選!コツは「ゆるく」「楽しく」

家計/貯金

  • 投稿日:2022.08.03
  • 更新日:2022.12.20

自宅で過ごす時間が増えた昨今、以前にも増して食費がかかると頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。しかし「食べ盛りの子どもがいて食費を削れない」、「無駄な出費がどれなのかよく分からない」など、抱える悩みは各家庭によってさまざまです。

食費の節約に成功している人は、普段どんな節約術を実践しているのでしょうか。この記事では、1カ月の平均的な食費など具体的な数値も紹介しながら、自分に合った食費の節約術を見つけられるようアドバイスします。

1カ月の適正な食費はいくらぐらい?

まずは、一般家庭における1カ月の平均的な食費がどのくらいなのかを見てみましょう。食費の適正額を知るのに役立つのが「エンゲル係数」という数値です。

「エンゲル係数」とは?

エンゲル係数とは、家計の総支出のうち食費が占める割合のことをいいます。エンゲル係数が高い、低いといわれるのは、それぞれの家計の中で食費の割合がどの程度を占めているのか、という意味です。

所得水準が上がれば食費が占める割合が下がるため、エンゲル係数が低くなります。一方で所得水準が下がると、食費の占める割合が上がるためエンゲル係数が高くなるのです。

エンゲル係数の平均は約27.1%

次に、エンゲル係数の全国平均はどのくらいなのかデータを用いて見ていきましょう。総務省統計局「2021年 家計調査報告 家計収支編」によると、二人以上世帯の消費支出の平均は27万9,024円、そのうち食費は7万5,761円でした。エンゲル係数は「食費 ÷ 消費支出合計 × 100」で計算できるので、実際に計算すると以下のようになります。

エンゲル係数:7万5,761円÷27万9,024円×100=約27.1%

消費支出に対して食費が3割未満に抑えられていれば、食費は平均値に収められているといえるでしょう。

4人家族なら1カ月7~8万円が相場!一人当たり月2万円に収めよう

エンゲル係数の全国平均値はわかりましたが、一人当たりの食費は具体的にどのくらいになるのでしょうか。前段の総務省統計局の家計調査を参考にすると、食費のうち菓子類は6,469円、酒類3,601円、外食9,380円の合計19,450円でした。この金額を食費から除外すると、食費は5万6,311円になります。

調査の平均世帯人員は2.93人なので、一人当たりの1カ月の食費は1万9,218円になります。ここに外食9,380円を加えても食費は2万2,420円です。一人当たり月2万円程度に収めれば、平均的な食費といえます。しかもお子さまがまだ小さいうちは、この平均額よりも食費を抑えられるでしょう。

嗜好品のまとめ買いはやめた方がいい?食費が高額になりやすい行動とは

節約を意識していても、食費のうちどの出費が無駄なものなのかを把握するのは少し難しいかもしれません。食費を節約するための指標として、食費が高額になりやすい家庭の特徴を以下に紹介します。

  •  ・お酒やお菓子をいつもまとめ買いする
  •  ・安い食材だけを買う
  •  ・スーパーをはしごする

お酒やお菓子などの嗜好品がいつも家庭内にあると、必要以上に飲んだり食べたりしてしまい結果的に食費が高くなる原因となります。また、ただ安いからという理由であまり使わない食材や調味料、保存食などを購入しても、賞味期限までに使いきれなかったり、腐らせたりしてしまうケースもあるでしょう。

さらにチラシをチェックして安いお店をはしごする人もいますが、スーパーをはしごすることで不要なものを買ってしまったり、車での移動により余計なガソリン代がかかったりと逆に出費がかさむ可能性もあります。良かれと思っていた行動が、逆に無駄使いにつながっているかもしれません。一度、日々の行動を見直してみましょう。

簡単&無理をしない!成功した人が実践した食費の節約術7選

食費の節約としてよく聞くのは、あらかじめ予算を決めてその中でやりくりするという方法や、週に一度、まとめ買いをするなどの方法があります。確かにまとめ買いした方が節約にはなりますし、予算を決めた方が無駄使いはなくなります。

しかし、そのような決めごとよりも大切なのが「節約を長く続けられる仕組みづくり」です。ここからは、食費の節約に成功している人が実践している「ゆるく・楽しく」続けられる節約術を7つ紹介します。

買い物に行く前に冷蔵庫を空にする

まずは、食材の無駄使いをなくすことを徹底するようにしましょう。冷蔵庫を開けた際、「なんとなく食品がなくなったな」という状況ではなく、「冷蔵庫の中身がまったくない」状態になるよう心がけます。

食費に無駄が多い人の特徴として、食品を買っても使わずに腐らせてしまう、賞味期限が切れてしまうというケースが挙げられます。買い物をする際は「安いから」という理由ではなく、必要なもの、食べたいものだけを買うようにしましょう。

一方で、一度の買い出しの量が多くなり冷蔵庫に隙間なく食材を詰め込むと、冷気が循環しにくくなり、電気代がかかりやすくなります。そのため、食材が見やすく取り出しやすい状態をキープできるような量までにとどめておきましょう。

冷蔵庫内の写メを撮って、献立やメニューを考える

平日は仕事で忙しく買い物に行けない人は週末にまとめて買い物をすることも多く、その都度、冷蔵庫を空にするのは難しいケースもあるでしょう。その場合は、冷蔵庫や冷凍庫内をスマートフォンで撮影してから出かけると、家にある食材を写真で確認しながら買い物ができます。

間違って冷蔵庫にあるものを買ってしまうことも減り、買い忘れも防げます。また、いま冷蔵庫にある食材をメインに、その献立に必要な食材だけを買うことができます。冷蔵庫内の写真を撮っておけば、冷蔵庫を開けっ放しで食材をチェックせずに済むため、節電効果もあるでしょう。

空腹時を避けて買い物に行く

不要な買い物を防ぐ方法として有効なのは、お腹が空いている状態で買い物に行かないというものです。お腹が空いている状態でスーパーに行くと、その時食べたいものや必要なもの以外のものを買ってしまう可能性が高くなります。米国ミネソタ大学アリソン・ジンシューらの研究結果によると、空腹状態で買い物をすると64%も出費が増えるという報告もあります。

さらに空腹時の買い物は、高カロリーの食品を買う傾向が高いといった調査結果もあります。朝食後や昼食後など、できるだけ空腹状態を避けて買い物に行くとよいでしょう。

買い物リストを作成する

買い物に行く前に「買い物リスト」を作成すると、必要なものが一目でわかるため無駄なものを買いにくくなります。さらにスーパーでの滞在時間を短くすることで、食費の節約にもつながります。

買い物リストを作成することで買うべきものが明確になれば、目的のものを探して買うのみなので必然的にスーパーでの滞在時間が短くなります。ちなみにマーケティングの手法として、客の滞在時間や歩行距離に比例して購入する点数が増えるという考え方があります。スーパーでの滞在時間を短くすることを心がければ、不要なものを買う確率は低くなるといえるでしょう。

スーパーには一人で買い物に行く

新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、入店人数を制限しているスーパーもあります。一見不便なように思えますが、一人で買い物に行くのは節約にもつながりやすくおすすめです。パートナーや子どもを一緒に連れていくと、お菓子や食べたい食材など、不要なものを買わされるケースもあるためです。不要なものを買わないためにも、買い物は一人で行くよう心がけましょう。しかしお子さまが小さい場合は、どうしても一緒に連れていかなければならないこともあるでしょう。その場合は、お子さまが興味を持ちそうなルートを通らないよう事前に買い物リストを作り、そのルートだけを通るようにするのも一つの方法です。

野菜や魚など定番食材を決めて使い慣れたものを買う

購入する食材は、よく作る献立に使用する食材を含め、使い慣れた食材を選ぶとよいでしょう。使い慣れていない食材を買い、最終的に調理法がわからずに腐らせてしまったという人も少なくありません。使い慣れていない食材は作れる献立も少なく、他のレシピへの応用が難しいものが多くあります。

食品ロスを少なくするためにも、まずは我が家の定番食材を決めるとよいでしょう。定番食材は、その家庭にとっていろいろな献立に使い回しできるものを選びます。また近年は、自宅で過ごす時間が増えたことで料理をする機会が増え、ストレスを抱える人が増えています。調理をする回数の多さや手間以外でストレスを感じないためにも、パパっと定番料理が作れる食材を常にストックしておくことで、ストレスの軽減や時間短縮にもつながるでしょう。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税を活用して、食費を節約する方法も有効です。近年はふるさと納税を活用する家庭も増えていますが、返礼品を選ぶ際に注目して欲しいのがその「還元率」です。ふるさと納税の還元率は、寄付額に対してその返礼品の市場流通価格の何割なのかを表示したものです。

返礼品の中でも食品関連は高還元率のものが多く、できる限り高還元率のものを選ぶと食費の節約にもつながりやすくなります。お米の返礼品は、特に還元率が高いためおすすめです。野菜やお肉なども還元率が高いものが多いので、家庭でよく使う食材を中心に調べてみるとよいでしょう。

食費を把握するには「家計簿アプリ」を使ってみよう

現時点で自分の家庭でどのくらいの食費がかかっているのか分からない場合は、大まかでもいいので、まずは1カ月の食費を把握するところから始めましょう。食費を把握するのに役立つのが「家計簿アプリ」です。家計の内訳全ての家計簿をつけるのは大変でも、まずは食費だけ1カ月間集中的に記録していけば大体の目安がわかるでしょう。

買い物のたびに金額や内容を入力するのが面倒という人は、レシートを撮影するだけで記録してくれる家計簿アプリを使ってみましょう。食費の節約のためには、具体的な数値目標がないと始められません。まずは簡単に継続できる方法で、食費の内訳を把握することから始めましょう。

中島 翔/CWC株式会社代表取締役

この記事を書いた人
中島 翔/CWC株式会社代表取締役

この記事を書いた人
中島 翔/CWC株式会社代表取締役

日本証券アナリスト、ファイナンシャルプランナー。 あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。