水道光熱費は平均より高い?節約に挑戦しよう!
住宅/車
- 投稿日:2022.11.16
水道光熱費は地域によって異なり、家族構成にも影響されます。また、夏や冬は冷暖房を使う時間が多くなるため、比較的水道光熱費も高くなりがちです。本記事では、地域別や世帯別、そして月別の水道光熱費について紹介するとともに、水道光熱費を節約するコツについてもお伝えします。もし、自分たちの水道光熱費が平均より高いと感じた場合は、ぜひお役立てください。
水道光熱費は主に何のこと?
水道光熱費とは、日常生活を送るうえで利用する、以下の費用を指します。
- ● 水道代
- ● 電気代
- ● ガス代
電気代およびガス代は民間企業が経営しており、毎月請求されます。水道代は公共機関である各自治体が管理しており、2カ月に1度(2カ月分まとめて)請求されます。水道代だけ隔月請求のため、「請求書が届かない」と慌てることがありますが、仕組みをきちんと知っておけば安心です。
【地域別】水道光熱費の月の平均額
2021年の地域別水道光熱費は以下のとおりです。
地方 | 電気代 | ガス代 | 水道代 | 他の光熱費 | 水道光熱費合計 |
---|---|---|---|---|---|
北海道 | 9,503円 | 3,783円 | 4,428円 | 5,376円 | 23,090円 |
東北 | 9,420円 | 3,869円 | 5,042円 | 3,000円 | 21,330円 |
関東 | 7,794円 | 4,346円 | 4,315円 | 562円 | 17,017円 |
北陸 | 10,587円 | 3,593円 | 4,722円 | 1,754円 | 20,655円 |
東海 | 9,080円 | 4,354円 | 4,098円 | 576円 | 18,109円 |
近畿 | 8,300円 | 4,178円 | 4,159円 | 367円 | 17,003円 |
中国 | 9,512円 | 3,670円 | 4,416円 | 768円 | 18,366円 |
四国 | 10,466円 | 3,467円 | 3,836円 | 913円 | 18,681円 |
九州 | 8,772円 | 3,454円 | 4,041円 | 522円 | 16,788円 |
沖縄 | 8,760円 | 3,702円 | 3,621円 | 332円 | 16,416円 |
「家計調査 家計収支編」(e-Stat)
電気代については、北陸地方、そして四国地方が1万円を超える水準です。ガス代は地域による大きな差はありませんが、水道代については、東北地方が5千円を超える水準となっています。
また、北海道や東北、北陸といった寒い地域は、灯油文化が定着しており、エアコンよりも灯油を使った暖房器具を利用する傾向にあります。そのため、他の光熱費が高くなっていることが予想されます。特に北海道は、各家庭に灯油タンクが設定されていることからも、灯油の需要が大きいといえるでしょう。
【世帯別】水道光熱費の月の平均額
上で紹介したのは、総世帯の水道光熱費の平均です。水道光熱費は世帯構成によっても異なりますが、実際にどのくらいの差があるのでしょうか。
一人暮らしの水道光熱費の平均額
一人暮らしの水道光熱費の2021年全国平均額については、以下の通りです。
電気代 | ガス代 | 水道代 | 他の光熱費 | 水道光熱費合計 |
---|---|---|---|---|
5,482円 | 3,001円 | 2,248円 | 651円 | 11,383円 |
「家計調査 家計収支編」(e-Stat)
また、地域別に2022年1月〜3月期の水準をみると、以下のようになっています。
地方 | 電気代 | ガス代 | 水道代 | 他の光熱費 | 水道光熱費合計 |
---|---|---|---|---|---|
北海道・東北 | 8,928円 | 4,038円 | 2,482円 | 7,108円 | 22,556円 |
関東 | 6,792円 | 3,786円 | 2,018円 | 1,130円 | 13,726円 |
北陸・東北 | 8,903円 | 4,174円 | 2,473円 | 1,677円 | 17,227円 |
近畿 | 7,553円 | 4,174円 | 2,065円 | 875円 | 14,666円 |
中国・四国 | 8,732円 | 3,826円 | 2,327円 | 1,120円 | 16,005円 |
九州・沖縄 | 6,247円 | 3,485円 | 2,144円 | 521円 | 12,397円 |
「家計調査 家計収支編」(e-Stat)
北海道・東北地方は冬の光熱費が多くかかっており、全国1位の高さです。最低水準の九州・沖縄と比べると、月額1万円強の差があります。ガス代や水道代については大きな差は見られませんが、電気代に関しては若干地域差が見られます。これは、契約している電力会社の影響が大きく関係していると予想されます。
2人暮らしの水道光熱費の平均額
2人暮らしの水道光熱費の平均額については、全国のみとなりますが、2021年の実績は以下のとおりです。
電気代 | ガス代 | 水道代 | 他の光熱費 | 水道光熱費合計 |
---|---|---|---|---|
9,183円 | 4,330円 | 4,344円 | 1,311円 | 19,168円 |
「家計調査 家計収支編」(e-Stat)
2人暮らしになると電気代やガス代、水道代などが、1人暮らしに比べて若干多くなります。ガス代はそこまでの増加がみられないものの、電気代や水道代に関しては若干増加していることが分かります。2人のうち、どちらかが家に居る時間が発生することも理由の1つかもしれません。
3人世帯の水道光熱費の平均額
では、続いて3人世帯の水道光熱費の平均額を見てみましょう。こちらも全国平均のみ掲載です。
電気代 | ガス代 | 水道代 | 他の光熱費 | 水道光熱費合計 |
---|---|---|---|---|
10,655円 | 4,930円 | 5,749円 | 1,169円 | 22,503円 |
「家計調査 家計収支編」(e-Stat)
3人世帯になると、電気代が一気に1万円を超えてしまいます。また、水道代も一人暮らしの2倍程度と大きく増加しています。
今まで紹介した平均額と比べて多ければ、節約を考える必要があるかもしれません。
冬と夏で水道光熱費はどのくらい差がある?
2021年1月〜12月において、2人以上世帯の月々水道光熱費平均の内訳は以下のとおりです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
電気代 | 11,875円 | 12,850円 | 13,197円 | 10,696円 | 9,644円 | 8,488円 |
ガス代 | 5,740円 | 5,980円 | 6,425円 | 5,674円 | 5,155円 | 4,421円 |
水道代 | 5,214円 | 5,558円 | 5,895円 | 5,318円 | 5,350円 | 5,443円 |
他の光熱費 | 2,568円 | 3,234円 | 1,883円 | 1,110円 | 624円 | 395円 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
電気代 | 8,091円 | 9,774円 | 10,393円 | 9,835円 | 9,103円 | 9,854円 |
ガス代 | 3,769円 | 3,371円 | 3,203円 | 3,333円 | 3,853円 | 4,852円 |
水道代 | 4,992円 | 5,704円 | 5,500円 | 5,175円 | 5,619円 | 5,173円 |
他の光熱費 | 243円 | 203円 | 260円 | 733円 | 1,241円 | 2,379円 |
総務省 家計調査 家計収支編
冬(1月〜4月)は暖房を使う機会が多いためか、総じて電気代や他の光熱費が高い傾向にあります。逆に6月や7月は光熱費が低い時期だといえます。
一戸建てとマンションで水道光熱費は異なる?
一概には言えませんが、一戸建てとマンションを比較した際、マンションのほうが気密性や断熱性が高い傾向があります。そのため、一戸建てに比べ暖房費が節約できるケースもあります。
ただ、一戸建てでも最近ではZEHなどといった、省エネを目指した住宅の建設が進んでいます。リフォームや新築を建てる際に、ZEH住宅にすることにより光熱費を抑えられる可能性があります。
ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。住宅の省エネ性能を高めるとともに、太陽光発電などでエネルギーをつくり出すことで、年間の一次消費エネルギーをプラスマイナスゼロにすることを目標とした住宅です。
水道代については、一戸建てやマンションに関係なく、節水可能な設備を取り入れることが節約のポイントと言えるでしょう。
光熱費はさらに上昇している
現在、光熱費はさらに上昇しています。その理由は主に以下の3つです。
- ● 電力会社の電気プランの改定
- ● 燃料費調整額の値上がり
- ● 再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がり
理由①電力会社の電気プランの改定
現在、日本の発電所はLNGを燃料として使用しています。このLNGが原油価格の上昇を受けて値上がりしていることが、電気料金の値上がりの大きな理由となっています。
現に、大手電力10社がすべて値上げを行っています。沖縄電力は2021年4月から2022年4月の1年間で、2,000円近く値上げしており、大手電力10社の電気料金は過去5年で最も高い水準となっています。
理由②燃料費調整額が値上がりしている
燃料費調整額が値上がりする理由は、液化天然ガスの高騰などです。ですが上で述べたとおり、現在稼働している火力発電所は液化天然ガスからつくられるLNGを燃料として使用しているため、最終的に電気料金の値上がりに繋がっているのです。
理由③再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上がり
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、CO2の排出量を削減するために再生可能エネルギー発電を利用した際に、その発電所でつくられた電気を電力会社が買い取る仕組みの一環として設けられたものです。再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価に、使用した電力量を乗じて計算されます。
そのため、再生可能エネルギー発電促進賦課金が値上がりしている状況下では、光熱費がさらに上昇していくことになります。
水道光熱費を節約するコツ
上昇し続ける光熱費を何も対策をしないままだと、家計の負担が増える一方です。ここでは、節約するコツをご紹介します。
電気代を節約する
電気代を節約するコツとしては、以下のものがあります。
● 電力会社のポイントプログラムや割引制度を活用する
● 料金プランを最適なものに見直す
● 待機電力を減らす
● 電化製品をきれいにする、もしくは最新の省エネタイプのものに買い換える
● エアコンの設定温度に注意する(夏は1度上げる、冬は1度下げるだけでもかなりの差になります)
● 冷蔵庫の中身を定期的に整理する(詰めすぎないことがポイント。理想は7割程度)
思い当たる点や、自分でも取り組めそうだと思ったことから、取り組んでいきましょう。
水道代を節約する
水道代の節約方法としては、以下のような節約方法があります。
● トイレや洗濯機などを節水効果のあるものに取り替える
● トイレの洗浄機能の大と小を使い分ける
● 水を出しっぱなしにせず、溜めて使用する
● 洗濯の際はお風呂の残り水を利用する
● シャワーヘッドを節水タイプのものに変える
● 洗濯はできるだけまとめて行う
● シャワーヘッドの取り替えなど、初期費用がかかりますが、今後の水道代を考えるとかえって安くなることもあります。
より詳しい計算方法や節約術を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ガス代を節約する
全国的に料金に差がみられなかったガス代ですが、平均よりも多く使っているなら節約を考えてみましょう。ガス代を節約するコツには、以下の方法があります。
● コンロの火を調整する(鍋の面積よりも大きくしない)
● 煮物などを作る際は保温調理器を活用する
● 夏は湯船のお湯を減らす
● リフォームの計画があるなら、オール電化にする
● ガス会社の変更
ガスを利用するシーンは多くが調理時ですので、調理の際にコンロの火を調整するだけでも、月のガス代に差が出るでしょう。
太陽光発電や蓄電池をつけるのも一つ
太陽光発電や蓄電池を活用し、電気代やガス代を節約できる可能性があります。実際に東京都では、新築一戸建てに太陽光発電の設置を義務化する動きがあります。
まだ検討中の段階ですが、東京都は2022年度中の条例の成立を目指しており、成立すれば全国初の試みです。設置するのは住宅の購入者ではなく、大手住宅メーカーである点も覚えておきましょう。
この東京都の取り組みは脱炭素社会に向けたものではありますが、太陽光発電や蓄電池の設置によって、電気代やガス代の節約に繋がるでしょう。
水道光熱費の次はほかの家計も見直してみよう!
水道光熱費の平均額もわかり、また今後上昇する可能性もあることから、節約を考えることが大切です。水道光熱費の見直しを行い節約ができると、その分貯蓄額も増え、ほかの家計の見直しにもつながるでしょう。
ほかの家計の見直しの例として、一人暮らしなら、サブスクやスマートフォン代のほか、何気なく立ち寄っているカフェ代などが挙げられます。2人以上の世帯なら、保険の見直しのほか住宅ローンの繰り上げ返済など、考えられる節約方法はたくさんあります。
ただし、節約をするうえで気をつけたいのが、本当に必要なものまで削ってしまうことです。多少お金のかかる趣味でも、それが生きがいなら、無理に節約する必要はありません。逆に節約することでストレスになってしまっては、元も子もないでしょう。
不要なものを少しずつ見直していくことで、支出の内容も変ってきます。家計の見直しに興味のある方や何を見直せばよいのかわからない方は、家計の改善ポイントが分かる診断をぜひ利用してみてください。
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この記事を書いた人
新井智美/トータルマネーコンサルタント
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新井智美/トータルマネーコンサルタント
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。
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