キャッシュレス決済とは?メリットとデメリットをご紹介
家計/貯金
- 投稿日:2022.10.19
お金の支払い方法には現金、または現金を使わずに支払いを済ませるキャッシュレス決済があります。キャッシュレス決済には、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンを使ったコード決済など様々なものがありますが、普段、私たちは特別な意識をせず、それぞれを使い分けています。今回はキャッシュレス決済の利便性とお得なポイントをおさらいしましょう。
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いができる決済方法で、物を購入したときやサービスを受けたときに現金以外で支払う方法が対象となります。クレジットカードやデビットカード、交通系・流通系の電子マネー、スマートフォンで使用するバーコード決済やQRコード決済などがあります。
クレジットカード決済
クレジットとは信用という意味であり、支払った後で、銀行口座や現金などでクレジット会社にお金を支払うキャッシュレス決済です。クレジットカードを専用端末にかざしたり、ICチップを読み込ませたりすることで支払いが完了します。クレジットカード会社にお金を払う方法は、翌月一括払いや複数回払い、ボーナス一括払いなどがあります。
デビットカード決済
デビットカードとは、支払ったタイミングで銀行の口座からお金が引き落とされる即時払いタイプのキャッシュレス決済です。銀行やカード会社が発行した専用カードを使って決済を行います。デビットカードには、銀行のキャッシュカードを使うJ-Debitと、クレジットカード会社が発行するブランドデビットがあり、連携する銀行口座の残高を超えた支払いはできません。
電子マネー決済
電子マネーには交通系や流通系がありますが、支払うときは専用機器にICカードやスマートフォンをかざすだけで決済が行える手軽さがあります。いずれもお金を支払う前に金額を指定してお金をチャージしておくタイプが主流ですが、スマートフォンを利用する電子マネーには、残高が一定額を下回ったときに自動でクレジットカードからチャージしてくれるオートチャージ設定ができるものもあります。
前払い式の電子マネーで使い過ぎを防ぎたい場合、オートチャージ設定をしないようにしましょう。
QRコード決済・バーコード決済
スマートフォンに専用のアプリをダウンロードし、スマートフォンに表示するバーコードやQRコードを店舗等の専用機器で読み取ってもらって支払う決済方法です。支払い方法は事前にチャージが必要なタイプもあれば、後払いを選択できるタイプもあります。また、他のキャッシュレス決済とは異なり、個人間でのお金の授受ができるタイプもあります。
キャッシュレス決済の利用頻度はどのくらい?
日常的に現金やクレジットカード、電子マネーなどは、お金を支払うときに、選択して使っています。
家計の金融行動に関する世論調査(金融広報中央委員会)の単身世帯調査の日常的な支払い(買い物代金等)の主な資金決済手段を見ると、1,000円以下の支払いの場合、20代の単身者は64.0%が現金、34.1%がクレジットカード、39.7%が電子マネーで支払い、60代の単身者は65.3%が現金、34.4%がクレジットカード、45.3%が電子マネーで支払うと回答しています。支払う人の年代にかかわらずクレジットカードや電子マネーは使われており、支払う金額が大きくなるほどクレジットカードの利用割合が高まるようです。
日常的な支払い(買い物代金等)の主な資金決済手段(2つまで複数回答) (単位:%)
支払い額1,000円以下 | |||
---|---|---|---|
年代 | 現金 | クレジットカード | 電子マネー |
20代 | 64.0 | 34.1 | 39.7 |
30代 | 58.7 | 41.1 | 45.5 |
40代 | 64.9 | 37.5 | 49.0 |
50代 | 64.0 | 34.2 | 50.0 |
60代 | 65.3 | 34.4 | 45.3 |
70代 | 68.5 | 42.1 | 35.0 |
平均 | 64.4 | 37.1 | 43.4 |
支払い額50,000円越 | |||
---|---|---|---|
年代 | 現金 | クレジットカード | 電子マネー |
20代 | 26.9 | 71.0 | 13.2 |
30代 | 24.9 | 74.9 | 11.2 |
40代 | 28.7 | 73.5 | 12.0 |
50代 | 23.6 | 75.5 | 11.2 |
60代 | 21.5 | 79.1 | 8.1 |
70代 | 18.6 | 82.5 | 6.2 |
平均 | 23.9 | 76.1 | 10.2 |
【出典】金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」より抜粋
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/21bunruit001.html
今後も更にキャッシュレス決済を利用できる店舗が増えていくと考えられますので、ますますキャッシュレス決済の利用頻度が増えていくと考えられます。
キャッシュレス決済のメリット
日常で使用されることが増えてきたキャッシュレス決済には、メリットもいくつかあります。ここでおさらいしておきましょう。
現金を持ち歩かなくてよい
キャッシュレス決済の一番のメリットは、カードやスマートフォンを持っていれば、現金を持ち歩かなくて良いことです。財布や小銭入れで現金を持ち歩くときの盗難や紛失のリスクの削減ができるうえに、買い物に小銭を持っていく重たさもなくなりますので、身軽に外出することが可能になります。
また、買い物の際に現金が足りるかという心配もほぼ不要となります。お店で買い物をする都度、お財布に現金がいくら入っているかの確認をするストレスからも解消されます。
現金を引き出す手間がない
現金で支払う場合には、事前に銀行口座から現金を引き出しておく必要があります。キャッシュレス決済は銀行の口座と連携しておくことで、銀行やコンビニのATMを探してお金を引き出す手間がなくなります。また、現金を引き出す際に異なる銀行やコンビニのATMを使ったり、深夜や休日にお金を引き出すと手数料が取られることがありますが、キャッシュレス決済の支払いは手数料を取られることがほぼありません。1回100円程度の手数料でも10回使えば1,000円です。ATMに行く時間と手数料不要のメリットがキャッシュレス決済にはあります。
現金に触れなくてよい
現金は誰かが使ったものを次の誰かが使うため、自分の知らない多くの人の手に触れています。キャッシュレス決済を利用すると、現金そのものに手が触れる必要がなくなるうえに、現金を渡したりおつりをもらったりするときにレジの人と手が触れることもなく、感染症対策となるメリットがあります。
割り勘のときなどお互いにお金を出し合うケースでは、友人同士であっても手が触れ合うのはできれば避けたいときでも、キャッシュレス決済は触れ合わないメリットがあります。
会計スピードが早まる
現金支払いの一連の流れを想像してみてください。カバンから財布を出して、財布からお金を出し、端数を支払うために財布から小銭を探すこともあります。そして、支払い後はおつりを財布に入れ、財布をカバンにしまいます。急いでいるときなど、レジに並んでいると会計をしている人の動作や自身の会計時間に時間を要すると感じる事があるでしょう。
キャッシュレス決済は、会計がスピーディになるメリットがあります。スマートフォンは、はポケットなど取り出しやすい場所で持ち歩く方も多いので、カード型のキャッシュレス決済よりスマートフォンを利用した電子マネーやQRコード決済などはさらに会計スピードが速まり、時間のストレスが軽減されるメリットがあります。
支払い履歴が残せる
スマートフォンによるキャッシュレス決済を利用すると、その場で支払った履歴がスマートフォン内に残り、その日にどこでいくら使ったが瞬時に分かります。後からレシートを整理して、家計を管理する面倒だと思う方にとっても、キャッシュレス決済の支払い履歴管理にはメリットがあります。
家計の入出金を家計簿アプリなどで管理している場合は、データ化された支払い履歴を家計簿アプリに連携ができ、家計簿をつける手間と時間を削減できるメリットもあります。
ポイント還元がある
キャッシュレス決済のほとんどにポイント還元の仕組みがあり、支払った金額に応じたポイントを得られるメリットがあります。得たポイントは次の支払いで利用したり、商品に交換できたりします。なお、スマートフォンに事前にお金をチャージするキャッシュレス決済の場合は、特定のクレジットカードと組み合わせることで、決済サービスのポイント還元だけでなく、クレジットカードのポイント還元もダブルで受けとれることがあります。
ポイント還元率は利用するキャッシュレス決済により異なりますが、おおよそ0.5〜1.5%程度です。ポイント還元率が高くなるキャンペーンが開催されたときには、通常より多くのポイントを得られるので、メリットはさらに大きくなります。
個人間での送金ができる
QRコード決済やバーコード決済に送金機能があり、同じ決済サービスを利用していると個人間でお金のやり取りができます。個人間送金を利用することで口座振込より安い手数料で手軽にお金のやり取りができるメリットがあります。個人間送金の手数料が無料のキャッシュレス決済を利用すると、数名での飲食時や、数名でひとつの物を購入する際に簡単に割り勘ができるメリットがあります。
キャッシュレス決済のデメリット
ここまでお伝えした通り、キャッシュレス決済には多くのメリットがありますが、その一方でデメリットもあります。
利用するまでの手続きが煩雑
クレジットカード決済を利用するためには、事前にクレジットカードが作れるかどうかの審査があります。審査書類の記入手続きが煩雑なのはデメリットです。スマートフォンを利用するキャッシュレス決済では審査書類への記入はありませんが、利用前にアプリをインストールし、銀行口座やクレジットカードと連携しておかなければ、お金のチャージができません。
スマートフォンの操作が苦手な人には、スマートフォンの設定が難しく感じてしまう傾向にあります。
充電切れや電波の届かない場所に注意
スマートフォンを使用するキャッシュレス決済の場合、スマートフォンの充電が完全に切れてしまうと使えないことがあります。また、災害による停電や通信障害によりキャッシュレス決済が利用できないというトラブルが考えられます。キャッシュレス決済にスマートフォンを利用する方は、ポータブル充電器を持っていると安心です。万が一に備えて、カバンのなかにクレジットカードなどカード型のキャッシュレス決済を用意しておくと、いざというときに役立ちます。
利用は加盟店のみに限られる
キャッシュレス決済は、キャッシュレス決済の加盟店のみが利用可能です。支払いは現金のみで、キャッシュレス決済が利用できない店舗もあります。
そのためスマートフォンだけを持って買い物やレジャーに行ったときに、決済ができず、結果的に欲しいものが手に入らないことがあります。スマートフォンを利用するキャッシュレス決済よりもカード型のキャッシュレス決済の方が導入されていることが多いため、買い物やレジャーに行くときはクレジットカード1枚と現金を多少入れておくと困りません。
まとめ
現金での支払いが不要となるキャッシュレス決済についておさらいし、あらためてキャッシュレス決済のメリットをお伝えしました。キャッシュレス決済は利用開始までの手続きの煩雑さはありますが、使い始めれば、会計時間の短縮やポイント還元を受けられ、多くのメリットを享受できます。キャッシュレス決済に対応する店舗やサービスの数は今後も増える可能性が高いので、自分が最も使いやすいキャッシュレス決済を見つけておきましょう。
- お小遣い
この記事を書いた人
杉浦 詔子 / みはまライフプランニング代表
この記事を書いた人
杉浦 詔子 / みはまライフプランニング代表
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント 2005年にCFP®資格を取得、2012年に「みはまライフプランニング」を設立。「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として働く人とその家族のキャリアプラン(生活)とライフプラン(家計)の相談と講義、執筆を行う。仕事や恋愛のコミュニケーションに関する支援にも対応。
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