一人暮らし&一般家庭の電気代平均は?夏より冬の電気使用量で大きく変わる!
家計/貯金
- 投稿日:2022.08.17
- 更新日:2022.12.20
電気を何気なく使っていたものの、新型コロナウィルスの影響で在宅勤務やステイホームが増え、電気代の請求書を見て思わず目を疑うほど高くなってしまったという方も多いのではないでしょうか。
2016年の電力自由化によって電気が多少安く利用できるようになったものの、石炭や液化天然ガスなどの輸入価格の高騰が影響し、ここ数年で少しずつ一般家庭の電気代が上昇傾向にあります。この記事では高騰する電気代の平均額を紹介しながら、節電の取り組み方法についても紹介します。
1カ月あたりの電気代、全国平均はいくら?
現在の電気代が高いか安いかを判断するために、総務省統計局「2021年 家計調査 家計収支編」のデータから、全国における電気代の平均額を紹介します。まずは世帯人数別に、1カ月の平均電気代がどのくらいかを見ていきましょう。
【単身、2人、3人、4人、5人、6人以上】世帯人数別の1カ月の平均電気代
総務省統計局「2021年 家計調査 家計収支編」によれば、世帯人数別の1カ月の平均電気代は以下の通りです。
電気代の全国平均:1万317円 | |||||
---|---|---|---|---|---|
単身 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人 |
5,468円 | 9,183円 | 1万655円 | 1万1,376円 | 1万2,423円 | 1万4,852円 |
電気代は季節によって料金が変動しますが、上記は通年平均額となります。もしこの平均額よりも高い場合は、節電を検討することをおすすめします。
世帯別の1時間あたりの電気使用量(kWh)は?
電力は、1時間あたりの消費量をkWh(キロワットアワー)で表します。kWhは世帯人数によって差がありますが、東京都環境局の「家庭におけるエネルギー使用状況」によると、世帯別の1カ月あたりの電気使用量の平均は以下の通りです。
【戸建て住宅の場合】単位:kWh/月 | |||
---|---|---|---|
5月 | 8月 | 1月 | |
単身 | 192 | 240 | 297 |
2人 | 269 | 352 | 461 |
3人 | 314 | 430 | 530 |
4人 | 343 | 479 | 608 |
【集合住宅の場合】単位:kWh/月 | |||
---|---|---|---|
5月 | 8月 | 1月 | |
単身 | 153 | 215 | 232 |
2人 | 214 | 322 | 336 |
3人 | 261 | 369 | 402 |
4人 | 267 | 387 | 378 |
一人暮らしから二人暮らしの差は大きいものの、その後は1人増えても上昇は緩やかです。また集合住宅と比較すると、戸建ての方が全体的に電気使用量は多くなります。
さらに公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会によると、新電力料金目安単価は1kWhあたり27円としています。4人家族の平均電気代を計算してみると、以下の通りです。
- ● 5月(中間期):267kWh×27円=7,209円
- ● 8月(冷房期):387kWh×27円=1万449円
- ● 1月(暖房期):608kWh×27円=1万6,416円
このデータからも、他の季節に比べて暖房器具の使用頻度が多い1月は、特に電気使用量が増えて電気代も高くなることがわかります。
月別の1カ月の平均電気代
次は、さらに詳しく1カ月の電気代平均額を月別に見ていきましょう。
1月 | 1万1,875円 | 7月 | 8,091円 |
2月 | 1万2,854円 | 8月 | 9,774円 |
3月 | 1万3,197円 | 9月 | 1万393円 |
4月 | 1万696円 | 10月 | 9,835円 |
5月 | 9,644円 | 11月 | 9,103円 |
6月 | 8,488円 | 12月 | 9,854円 |
暖房器具の使用頻度が高くなる1月〜3月にかけて、電気代が高くなる傾向にあります。またエアコンを使用している場合は、室内温度と設定温度の差が大きい暖房のほうが冷房よりも電気代がかかります。
地域別の1カ月の平均電気代
電気代の平均額は、住んでいる地域によっても変わります。地域別に見た1カ月の平均電気代を以下にまとめました。
【単身世帯】地域別の1カ月の平均電気代
電気代の全国平均:5,468円 | |
---|---|
北海道・東北地方 | 6,194円 |
関東地方 | 4,963円 |
北陸・東海地方 | 5,625円 |
近畿地方 | 5,131円 |
中国・四国地方 | 6,593円 |
九州・沖縄地方 | 5,818円 |
【2人以上世帯】地域別の1カ月の平均電気代
電気代の全国平均:1万317円 | |||
---|---|---|---|
北海道地方 | 1万1,357円 | 近畿地方 | 9,973円 |
東北地方 | 1万1,264円 | 中国地方 | 1万1,580円 |
関東地方 | 9,403円 | 四国地方 | 1万1,782円 |
北陸地方 | 1万3,678円 | 九州地方 | 1万538円 |
東海地方 | 1万461円 | 沖縄地方 | 1万233円 |
寒冷地である北海道や東北、北陸地方等のエリアでは、冬の暖房代がかかるため電気代の平均額が高くなる傾向にあります。2人以上世帯で見ると、特に北陸地方は2人以上の世帯で全国平均よりも高くなっています。
これは北陸地方の家が平均的に大きく、部屋数も多いことが理由として考えられます。エアコンの消費電力は、住んでいる地域の気温や室内の温度の差だけではなく、住んでいる家の大きさや天井の高さなどによっても変わってきます。
ライフスタイルによっても電気代は異なる
住んでいる地域や家の大きさだけではなく、家族の人数やライフスタイルによっても電気代は変動します。ここでは、ライフスタイルによって電気代が変わる場合のケースを紹介します。
世帯人数が多い家族ほど電気の基本料金が高くなる
一人暮らしより二人暮らしの方が、一つの世帯でかかる電気代が高くなるのは当然のことです。世帯人数が多くなれば、同時に使える電気量を増やす必要があるため、電気会社とあらかじめ毎月どのくらいの電気量を使うかという「契約アンペア数」が大きくなり、基本料金が高くなります。
「アンペア」とは電気が流れる量のことで、電気料金のプランはアンペア制を採用されているのが一般的です。契約アンペアは10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aなどの中から、その家庭に合ったものを選択します。小さいアンペア数の方が流れる電気量も少ないため、その分、基本料金は安くなります。
一人暮らし、二人暮らし向けの賃貸物件の場合、契約アンペア数は30Aが主流です。また、戸建ての場合は40Aでの契約が一般的です。例えばアンペア契約が40Aでも、日常生活を送る中で頻繁にブレーカーが落ちる場合は、契約アンペア数を上げる必要があるかもしれません。
電力会社によっては、どのアンペア数でも同じ基本料金、または基本料金0円のところもあるため、契約アンペア数が大きい、もしくは節約をしたい場合はお得になる電力会社に乗り換えるのも一つの方法でしょう。
夜型の方が電気代は安くなることも
大半の電力会社は、電力消費の分散を促すために夜間の電気代が安くなるプランを用意しています。夜間として設定されている時間帯は電力会社によっても異なりますが、21時〜9時、23時〜7時などがあります。仕事で朝早く家を出て帰宅が遅い、昼間働いており夜間に家事などをこなす家庭は、夜間電力が安くなるプランを検討してみると節約につながります。
夜間電力が安くなるプランを契約する場合は、消費電力が高い家電は夜に稼働させるようにするとよいでしょう。例えば食器洗い乾燥機や浴室乾燥機などは、タイマーで寝ている間に稼働させるのもおすすめです。
ただし夜間電力が安くなるプランは、日中の電気代が高くなる傾向にあります。夜型なのは平日だけで休日は昼間に家事をする人だと、逆に電気代が高くついてしまう可能性があります。また今後も新型コロナウィルスの拡大感染によって、外出自粛や在宅勤務への切り替えが増えるかもしれません。そういった可能性も考慮して、契約プランを選ぶようにしましょう。
「年間を通じて電気代が高い!」と感じるならチェックしてみよう
暖房器具やエアコンなどを使っていないのに1年を通して電気代が高いと感じているなら、他に使用している電化製品などを見直すと節約のヒントが見つかるかもしれません。まずは以下の3点をチェックしてみましょう。
チェック1:冷蔵庫やテレビなどの電化製品の使い方は適正か
まずは、日常的に使用している家電の使い方をチェックしてみましょう。例えば冷蔵庫に食材を詰め込み過ぎると庫内の冷気循環が悪くなり、さらに冷やそうとして電力を余計に使ってしまいます。
テレビは、長時間つけないなら本体の電源スイッチを切りましょう。長期旅行などで留守にする際は、電源プラグをコンセントから抜きます。またテレビの画面にホコリがたまると画面が暗くなるため、こまめに拭き掃除するようにしましょう。
このように、電化製品の細かな使い方を見直すことで節約・節電につながります。ただし公益社団法人 東京電気管理技術者協会によると、蛍光灯のスイッチをこまめに「オン・オフ」しても、そこまで電気代の節約にはつながらないとのことです。逆に、頻繁につけたり消したりを繰り返すことで蛍光灯の寿命を短くしてしまうため、短時間だけ消すよりもつけっぱなしのほうがお得になります。
チェック2:電化製品の「設計上の標準使用期間」が過ぎていないか
電化製品の使用年数をチェックしてみるのもおすすめです。電化製品には、標準的な使用条件で使った場合、安全上支障なく使える期間「設計上の標準使用期間」が設定されています。
故障しないからといって、その期間を過ぎた電化製品をそのまま使い続けている家庭も多いでしょう。しかし新しい電化製品ほど省エネ性能が高く、買い替えた方が電気代を抑えられ省エネにつながります。
また設計上の標準使用期間を超えて使用していると、経年劣化による発火やケガにつながる可能性もあるため、一度チェックして大幅に期間を超えているものがあれば買い替えを検討するのもよいでしょう。
チェック3:基本料金は高い、安い?料金プランは妥当か
電気代は、電力会社の切り替えによって安くなる可能性もあります。電力会社ではガス料金と電気料金がセットになっているプランを選択できたり、スマホキャリアと電気の併用でセット割引になったりするものもあります。
中には基本料金がかからない電力会社もあり、基本料金が高いと感じている人は電力会社のプランを比較してみてはいかがでしょうか。さらに解約手数料などの違約金が発生しないところも多いので、比較検討の際に合わせてチェックしてみてください。
平均より電気代が高いなら見直す余地あり!
自宅の電気代が全国平均より高かった場合は、日々の生活の中で節電を意識することで電気代を安くできる、自分なりの方法を見つけられるかもしれません。電気代は、使う時間帯や電化製品の使い方によって変動するものです。電化製品の買い替えや、お得なプランのある電力会社への切り替えも同時に検討し、無理のない範囲で節電方法を工夫してみましょう。
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この記事を書いた人
中島 翔/CWC株式会社代表取締役
この記事を書いた人
中島 翔/CWC株式会社代表取締役
日本証券アナリスト、ファイナンシャルプランナー。 あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。
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