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医療費控除で税金はいくら戻ってくる?適用される条件と計算方法を確認しよう

税金

  • 投稿日:2022.03.08
  • 更新日:2022.03.25

毎年の税務申告の際に様々な控除が適用できますが、その一つに「医療費控除」があります。医療費控除は適用条件や計算方法などが複雑で、明確に仕組みを把握していない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は医療費控除の概要や医療費控除の対象範囲や適用されるケースとされないケース、医療費控除の計算方法やシミュレーションについてご紹介します。

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間で一定額以上の医療費を支払った場合に適用される所得税の控除の事で、直近の課税年度分だけではなく5年前まで遡って申請することも可能です。国税庁の調べによると、実際に確定申告を行い医療費控除の適⽤を受けた方は760万人も存在します。

医療費控除を申告する場合は、本人の医療費だけではなく、本人または申告者と生計を共にする配偶者や親族のために多額の医療費を支払った場合も、所得控除の適用を受けることが可能です。また、確定申告をすることで所得税の軽減や還付を受けられます。

医療費控除の対象は課税年度である1月1日から12月31日までの間に支払った医療費となります。給与所得者の場合は、医療費控除を適用させるには年末調整を提出していても確定申告をする必要がある点に注意しましょう。

また、いくらお金が戻ってくるかは所得や他の控除の申請状況によっても異なるため、あらかじめ国税庁のホームページなどを参考に確認しておくとよいでしょう。

※出典:国税庁「平成30年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」

医療費控除の対象となるもの

医療費控除の対象となるのは基本的に、治療に必要な医薬品や、医師による診察などです。どのような費用が医療費控除の対象となるのか、いくつか例をご紹介します。ここでは一部のみ紹介するので、詳細に関しては、国税庁のホームページをご覧ください。

・医師や歯科医師に支払った診療費病院の領収書・治療費
・妊娠中の定期健診費用、妊婦健診費用、出産費用、不妊治療費用
・治療のために必要なあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の費用
・介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
・コロナウイルスの感染が疑われる場合、または医師等の判断により受けた場合のPCR検査費用

※出典:国税庁「医療費控除の対象となる医療費」

医療費控除の対象とならないもの

医療費控除には対象とならない医療費もあります。次に医療費控除の対象とならない費用にどのようなものがあるかご紹介します。確定申告で医療費控除の対象となるかならないかは、治療の目的で使用されたものであるかどうかという点となります。

・健康増進を目的としたビタミン剤の代金
・疲れを癒したり体調を整えるといった目的で利用されるあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術費
・予防接種代
・美容整形代
・病院までマイカーで行った際のガソリン代、タクシー代など
・健康診断の費用(重大な病気が発見され治療した場合は控除の対象となる)
・医師等に対する謝礼金など
・家族や親類縁者に付き添いを頼んだ際の付添料
・見た目を美化するための歯科矯正費用(必要と認められた場合は控除の対象となる)
・陰性証明する必要がある場合など自己判断で受けた場合のPCR検査費用(検査結果で陽性の場合は控除の対象となる)

医療費控除でいくら還付されるか計算しよう

次に実際に医療費控除を申告する場合に、どれくらいの控除が受けられるのか知るために、計算方法を解説します。総所得が400万円の場合と700万円の場合で、医療費控除のシミュレーションをして戻ってくる金額を計算します。ご自身の医療費控除の計算に役立ててみてください。

医療費控除額の計算方法
医療費控除の計算は、以下の数式で計算します。

医療費控除の額=A(実際に支払った医療費の合計-保険金等で補てんされる金額)-B(10万円または総所得の5%のどちらか少ないほう)

まずは、Aの部分の計算をします。

医療費の合計を算出するためには、病院を利用した際の領収書や薬品を購入した際の領収書を元に合計金額を計算します。

次に、保険金の支払い明細に記載されている金額を、医療費の合計から引くことで、Aの算出が可能となります。

次にBの算出方法は、総所得の5%を計算し、10万円を超える場合は10万円、10万円を超えない場合は、総所得の5%をAから引くことで、医療費控除額を算出できます。

総所得が200万円以上の方は、Aから10万円を引いた額が医療費控除となると考えてよいでしょう。総所得の5%が10万円を超えるということは、総所得が200万円を超えていることになるためです。

総所得400万円だといくら還付される?

総所得400万円で年間20万円支払った場合と年間30万円支払った場合の2パターンで医療費控除の計算をしてみましょう。どちらも課税所得が400万円で、すでに保険金等で補填される金額を計算したうえでの支払い金額を想定しています。

また、還付金を計算するうえで注意したいのが、医療費控除の額がそのまま還付されるわけではないという点です。実際に還付される金額は、医療費控除の額に所得税の税率をかけた金額となります。所得税の税率は年収によって異なりますので、国税庁のホームページなどから確認しましょう。

※出典:国税庁「所得税の税率」

【年間20万円支払った場合】
保険金等で補填された金額も含め、医療費が年間20万円だった場合、医療控除の対象となる金額は20万円です。そこから10万円を差し引くと、医療費控除の額は10万円となります。
所得税に関しては総所得400万の場合、適用税率は20%であるため、還付される金額は以下の通りです。

20万円-10万円×20%=2万円(還付される金額)

【年間30万円支払った場合】
次に30万円の医療費の場合を計算してみます。

30万円-10万円=20万円×20%で、4万円還付されます。

総所得700万円だといくら還付される?

次に総所得700万円で年間20万円支払った場合と年間30万円支払った場合の2パターンで計算してみましょう。

【年間20万円支払った場合】
総所得700万円の場合の適用税率は23%となるため、計算方法は以下となります。

20万円-10万円×23%=2.3万円
つまり、2.3万円が還付される金額となります。

【年間30万円支払った場合】

30万円-10万円×23%で4.6万円の還付を受けられます。

医療費控除を活用して家計の負担を軽減しよう

医療費控除を活用することで家計の負担を少しでも軽減できます。そのためにも医療費控除の概要を把握して、シミュレーションサイトなども利用して、いくら戻ってくるか計算してみるとよいでしょう。医療費控除の活用だけでなく、その他の控除も活用することで家計の負担も軽減できます。

日頃から領収書をファイルなどに1箇所にまとめておくと年末調整・確定申告もスムーズにできるようになりますよ。ファイルにまとめたり、確定申告は慣れていないという方もいるかもしれませんが、コツコツと続けることで毎月どのくらい支出しているのか意識するようになるかもしれません。生活費を見える化することで、不要なものを使用していないか見直すきっかけにもなりそうですね。

中島 翔/CWC株式会社代表取締役

この記事を書いた人
中島 翔/CWC株式会社代表取締役

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中島 翔/CWC株式会社代表取締役

日本証券アナリスト、ファイナンシャルプランナー。 あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。

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